バイクのエンジン種類別の説明

シングル(単気筒)

シングル(単気筒)とは、気筒(シリンダー)の数がひとつしかないという構造のエンジンのことである。構造がシンプルで、部品数が少ないので、整備しやすいという利点がある。 デメリットとしては、単気筒エンジンでは、ピストン同士の慣性力を相殺できないため、振動が大きいということがあげられる。また、排気量が同じバイクで多気筒エンジンのバイクと比較すると、どうしても最大回転数を低くしなければならない。そのために、単気筒エンジンのバイクは、出力が小さくなってしまうという結果になる。 単気筒エンジンを搭載しているバイクは、原動機付自転車のほとんどがそうであるほか、小排気量のオフロード車が多い。また、スポーツモデルでも軽量性を得意とするタイプに単気筒エンジンを搭載している。ホンダでは、CRF450RやCRF250Rのコンペティション、XR400モタード、XR230モタード、XR230、FTRなどのデュアルパーパスも単気筒エンジンを搭載している。スポーツモデルでは、エイプやCB223S、CB400SSなどが単気筒エンジンを搭載している。 ヤマハでは、オフロードモデルのYZ450FやYZ250F、YZ250、YZ125が単気筒エンジンを搭載している。スポーツバイクでも、トリッカー、XT250X、セロー250、SR400などが単気筒エンジン搭載のバイクである。 スズキでは、コンペティションモデルのRM-Z450やRM-Z250、RM250、RM125が単気筒エンジンを搭載しているほか、デュアルパーパスモデルのDR-Z400Sや、ロードスポーツモデルのバンバン200、ST250 Etype、DR-Z400SMなども単気筒エンジンを搭載している。 カワサキでは、KX250F、KLX450Rのコンペティションモデル、SUPER SHERPA、D-TRACKER Xなどのデュアルパーパス、ESTRELLA、250TRなどのスポーツモデルに単気筒エンジンを搭載している。

ツイン(2気筒)(Vツイン、バーチカルツイン、Lツイン)

ツイン(2気筒)エンジンとは、シリンダー(混合気が爆発し、ピストンを押し下げて動力を作り出す箇所)が2つあるエンジンのことである。この、2つあるシリンダーを、どのように配置するかで、エンジンのフィーリングが変わる。 Vツインは、シンンダーをV字に並べたエンジンである。それぞれのシリンダーから個別に発せられる特徴的な排気音や、ドコドコという独特の鼓動感などが魅力である。単気筒エンジンよりは高回転型だが、マルチエンジンほど高回転型ではない。ストロークが長いと、低回転、高トルク型に振られることとなる。 代表車種は、ホンダのシャドウ、ヤマハのドラッグスター、スズキのイントルーダークラシックやブルーバード400、カワサキのバルカン900やエルミネーター250Vがある。 バーチカルツインは、直列2気筒の1種で、ふたつのシリンダーを直立させ1列に並べ、クランクを共有させたエンジンである。Vツインエンジンより部品点数が少なく、重量も軽くなる。デメリットは、バイク本体の横幅が広くなってしまうということである。カワサキW650や、トライアンフのボンネビルがバーチカルツインエンジン搭載モデルである。 Lツインエンジンは、ふたつのシリンダーをほぼ水平にしてマウントした90度V型エンジンで、横から見るとL字型に見えることからLツインと呼ばれる。ドゥカティ社のバイクに搭載されており、スーパーバイク1098シリーズ、スポーツクラシックGT1000、スポーツ1000S、ムルティストラーダファミリーなどに搭載されている。

マルチ(3気筒、4気筒)

マルチエンジンとは、エンジンの種類のひとつである。「マルチ」の英語本来の意味は「複数」であり、シリンダー数(エンジンの気筒数)のことである。英語の意味のとおり、もともとは2つ以上のシリンダー数のエンジンのことであったが、現在は4気筒エンジンのことを特に「マルチエンジン」ということが多い。 直列3気筒エンジンは、3つのシリンダーが直列に並んでいるエンジンである。4気筒エンジンと比較して、気筒ひとつあたりの排気量が大きく、冷却損失が小さく燃費がよい。デメリットは、4気筒エンジンよりも振動が大きくなってしまうということがあげられる。車体に対して、シリンダーを横向きに並べたエンジンを、別に並列3気筒エンジンと呼ぶこともある。トライアンフのロケットスリーには、この並列3気筒エンジンを搭載している。 直列4気筒エンジンは、4つのシリンダーを1列に配置したエンジンで、横向きにシリンダーを配置したエンジンを、別に並列4気筒と呼ぶこともある。直列4気筒エンジンのデメリットは二次振動であるが、この二次振動を相殺するバランス・シャフトで低減できる。このエンジンを搭載しているモデルには、ホンダのCB1300 SUPER FOUR、CBR1000RR、CB750や、ヤマハのXJR1300、FZ1、スズキのGSX1400、GSR400、カワサキのZRX1200R、ゼファー、ZRXなどがある。現行の4気筒は、横向きにシリンダーを並べる並列が多いが、BMWのK1200LTやK1200GTは、縦置き直列4気筒エンジンである。 V型4気筒エンジンは、4つのシリンダーが、V字型に開かれて配置されたエンジンである。直列4気筒エンジンと比較すると、高回転域では、なめらかなフィーリングとなり、低回転時には鼓動感のあるトルクフィーリングという特徴のエンジンである。ホンダのレース専用車両、RC212Vに搭載されている。また、ドゥカティのデスモセディチRRは、L型と呼ばれる4気筒エンジンを搭載している。

2ストローク

2ストロークとは、2ストや2サイクルといわれるエンジンの種類で、「吸入・圧縮」と、「爆発・排気」という2つの行程(ストローク)で燃焼を行うエンジンのことである。 行程(ストローク)とは、ピストンが1回上昇、または下降することで、2ストロークエンジンは、1往復で1回の爆発が終了となる。上昇行程では、吸入と混合気の圧縮が行われ、下降行程では、混合気の爆発でピストンが下降し、排気を行う。 2ストロークエンジンは、エキゾーストパイプがほぼ一定の直径でサイレンサーに到達する4ストロークと違って、途中にチャンバー(膨張室)があることが多い。 2ストロークエンジンは、4ストロークエンジンよりも、パワーが出やすく、エンジンの音が甲高いという特徴がある。しかし、構造上、エンジンオイルが一緒に燃えてしまい、チャンバーから白煙が出やすく、排気ガスに未燃焼ガスが多く含まれるというデメリットがあるため、現行モデルで2ストロークを採用しているマシンはほとんどなくなってしまった。

4ストローク

4ストロークとは、4ストや4サイクルといわれるエンジンの種類で、4つの行程(ストローク)で燃焼を行うエンジンのことである。 行程(ストローク)とは、ピストンが1回上昇、または下降することで、4ストローク は、2往復で1回の爆発が終了となる。つまり、1行程は下降行程で、「吸入」といって、混合気を吸い込む。 2行程は上昇行程で、「圧縮」といって、混合気を圧縮する作業が行われる。 3行程は下降行程で、「爆発」といって、スパークプラグの火花が圧縮された混合気に引火、燃焼する。 4行程は上昇行程で、「排気」といって、燃焼させた混合気を、排気ガスとして外に排出する。 2ストロークエンジンが、エンジンオイルを一緒に燃焼させてしまうという構造上、環境性能を向上させることが難しいので、現行モデルは、ほとんど4ストロークエンジンを採用している。 ロードレースの最高峰、ロードレース世界選手権も、2002年からMotoGPとなり、それまでの2ストローク500cc中心のレースから、4ストローク990cc中心となり、さらに排気量800cc以下にレギュレーションが変更されている。

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